アーティストになるためには、アーティストとして活動を続けるためにはどうしたらいいのだろうか？その答えは、人それぞれなので唯一の正解のようなことはないのだが、きっと役立つであろう参考情報として以下の本を紹介したい。

ブックガイド『アーティストになる基礎知識』（美術手帖＝編）

この本は、2005年2月号から4度にわたって雑誌「美術手帖」の特集になったものをまとめたもので、アーティストを目指す学生が抱く素朴な疑問に答えるものになっている。

・活躍するアーティストたちはどうやってその道を切り開いたの？

・ズバリ！アーティストになるメソッドはある？

・アーティストが身につけておくべきプロデュース術とは？

・展覧会はどうつくる？

・制作の拠点はどうすべきか？

・画材や素材について知りたい。

・作品はどう運ぶ？

・応募できるコンペや助成は？

・発表できるギャラリーやスペースは？

・海外で制作するためにはどうすればいいのでしょうか？

これらの疑問にそって、アーティストやギャラリスト、関係者が答える形式になっていて、とくに巻末のアーティスト手帖は、コンパクトに制作やコンペ、助成、ギャラリーガイドが網羅されており便利である。もちろん、情報が古くなっているものも一部にはあるが、ひとたび勘所を押さえれば、ウェブでの検索も捗るだろう。

この本で言うところの「アーティスト」を比較対象として、自分が歩みたい道について具体的に言葉にしていく契機にするのこともできるだろう。「アーティスト」になるかどうかに関わらず、自分の歩みたい進路について具体的に考えるための一歩として読んでみてはどうだろうか。