第1回「アートとともに生きる」、とは。

アートとともに生きていく、あなたのために。

想像してみてください。大学を卒業したあと、あなたは、どんな「生き方」をしているでしょうか。

当たり前のことですが、大学が終わっても、あなたの人生は続いていきます。就職するか、しないかは、いくつかの選択肢のひとつに過ぎません。

大学よりもずっと長い、その人生のなかで、あなたはどんな「生き方」をしているでしょうか。

このコラムは、卒業後も何らかのかたちで「アートとともに生きていく」ことを考えているあなたのために、書いてみたいと思います。

アートとともに生きる、とは、どういうことでしょうか。

いちばんイメージしやすいのは、「アーティストになる」ことでしょう。「アーティストになる」ということは、アート作品を生み出すことを生業にすることであり、アートと人生が一体化すること、と言ってよいかもしれません。

アーティストになる以外にも、アートとともに生きる生き方はたくさんあります。

そもそも、アートはその長い歴史のなかで、アートという言葉自体の定義を拡大し続けてきました。つまり、アートが本来持っている可能性からすれば、今現在、社会の中で「アーティスト」と名指されているような生き方は、きわめて限定されたものなのです。

だとすれば、アーティストと呼ばれていない生き方にも目を向けなければ、アートとともに生きることを考えているとは言えないでしょう。

先ほど書いたように、このコラムでは、「アートとともに生きていく」ことについて考えていきます。そのために、「アーティストになる」ことと「アートに関わる仕事につく」こと、この2つを切り口にして、できるだけ具体的に考えていくことにしましょう。

具体的に、と言っても、事例を列挙するだけではコラムの意味がありません。個別の事例や専門的な情報については、ウェブ検索するだけでも一通りは知ることができますし、みなさんがそれぞれで調べてみるのが一番でしょう。

一方で、アートそのものの可能性について探求することも、このコラムの領分を超えています。そのようなことを考えるのは非常に大切なことですが、少なくとも、将来のことを考えつつ、キャリア支援室のウェブサイトにたどり着いたみなさんが、今求めていることではないでしょう。

ですからここでは、学生のみなさんの「生の声」に答えるかたち、つまり、実際にキャリア支援室に寄せられた質問のなかから、いくつかを紹介し、その質問にお答えする形式を取りたいと思います。

ここで取り上げた質問と、その回答のなかに、あなたが考える生き方についてのヒントがあるかもしれませんし、もし、どの質問も回答も、自分とは関係がないと感じたのなら、ぜひ、あなたの質問を投げかけてください。

アートとともに生きる、その在り方の可能性はたくさんあるわけですから、考えれば考えるほど、あなたの疑問や不安も、拡がっていくことでしょう。あなたが、自身の生き方を考えるヒントとして、このコラムが少しでも役に立てば、それに勝る喜びはありません。


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